由比正雪公演の新聞記事
        <平成13年4月27日(金)>

津軽三味線演奏家の白井勝文さんによる弾き語リ講演会
がこのほど、由比町北田の商工会館で開かれた。
地元に縁が深い江戸時代の軍学者、由井正雪を取り上げ
生きざまなどを紹介した。
「憂国の軍学者由井正雪」と銘打った講演には約四十人
が集まった。これまで正雪は、一六五一年(慶安四年)の江
戸幕府打倒を狙った「慶安事件」の「反逆者」として伝えられ
てきたが、今回脚本を担当した郷土史家の塩坂高男さんは
「天下を取ろうと野心があったのではなく、国を憂えた末の
行動だった」との観点で携わったという。
白井さんは十七歳で軍学者を志したことに姶まり、ちまたに
あふれる浪人の多さに将来への不安を抱いた心情、同志と
の決起と挫折、駿府城下の梅屋での自刃など、正雪の行動
を振リ返るとともに心情を熱演した。
町内には正雪の生家とされる「正雪紺屋」がある。
来場者は地元とゆかりがある人物とあってうなずいたリ、目
を閉じてじっと聞き入っていた。

     由比正雪公演の新聞記事
        <平成13年9月3日(月)>

江戸初期に徳川幕府にち向かった「由比正雪公を
偲ぶ会」が二日、正雪の首塚が残る静岡市沓谷の
菩提樹院で開かれた。今年は由比正雪の没後三
百五十年の節目に当たリ、市民など七十人余リが
焼香した。
赤心会(大橋鶴仙会長)の会員二十八人が詩吟を
奉詠した後、追善法要が行われた。
蒲原町文化財保護審議会の塩坂高男会長が正雪
について講演。諸説ある生い立ちや、影響を受け
た人物、幕府の大名取リつぶし政策であふれた浪
人の救済を訴えた反乱の経緯などを解説した。
塩坂会長は、「野心による幕府の転覆ではなく、改
革の必要性を死をもって訴えた英雄」と強調した。
続いて「憂国の軍学者由井正雪」と題し、白井勝文
さんが、正雲公の生涯と反乱の様子を津軽三味線
を演奏しながら物語風に紹介した。

      由比正雪公演の新聞記事
        <平成13年9月17日(月)>

徳川幕府の政治を改革ようと立ち上がリ、浪人救済に
尽力した末に自害した軍学者、由比正雪公の三百五
十回忌をしのぶ津軽三味線演奏語リが十四日夜、正
雪の親類縁者が処刑された場所に近い静岡市弥勒の
安倍川中で開かれた。同中の父母や田町、駒形学区
の住民ら約百人が集まった。
津軽三味線を演奏するのは、静岡市瀬名在住の白井
勝文さん。正雪の謎多き出生の話や、駿府の浅間社
塾で軍学に出会い、義を通す大切さを学んだ少年期の
話、立志のため江戸に行き、幕府の大名取リつぶし政
策であふれた浪人らに心を痛めて反乱を企てた経緯を
メリハリの利いた語リロと三味線の音色で表現した。
正雪が駿府で奉行所役人に敢リ囲まれて自刃し、親類
ら関係者が処刑されるクライマックスのシーンでは、自
井さんが「野心による幕府の転覆ではなく、死をもって
幕府の改革を訴えた英雄」と力強く謡い上げ、正雪の高
い志をたたえた。

平成13年9月3日(月)
平成13年9月17日(月)

正雪の首塚のある静岡市沓谷菩提樹院